はじめに

「ブランド? ブランディング? よく分からない」

お客さまからのこんな言葉で会議がはじまることも少なくありません。そういう時にお応えするひと言があります。

「ブランドは、人柄」

すると多くの方が、なるほどと頷かれます。それまでブランドやブランディングという言葉を使うことすらなかったのに、突然、会社や施設など組織の中でブランディングの担当者に選ばれて、いったい何をどうすればいいのか戸惑っていた。「そもそもブランドって何だ」というところで悩んでいたと仰る方が、「ブランドは、人柄」という言葉で、すとん腑に落ちたと表情を明るくされます。人柄、という馴染みのある言葉に変わったとたん、掴み所のなかったブランドという言葉のイメージが身近なものに変わったのだそうです。

さらに、「人柄」という言葉を「会社柄」「施設柄」「法人柄」という言葉に代えて、「私たちの会社柄って、どんなだろう」「どう育ってきたのかな、どう育てていくかな」「どんな風に見えているんだろう」と、会議の中で、どんどんブランドやブランディングについての考えを膨らませていってくださることもあります。

ブランディングは、一貫性をもって継続していくブランドのコミュニケーション活動です。ブランドらしさ、お客さまの私たちらしさという人柄を伝え続けてく活動です。

伝えたいこと、知ってほしいこと。どのお客さまもブランドの思いをお持ちです。会議やインタビューの中でブランドへの思いが、ひしひしと伝わってきます。その思いを伝え続けていくブランディングの伴走者として、お客さまの課題にお応えするなかで考えてきたこと、気づいたこと。そして私自身のブランディングへの思いなど、少しずつ記していきます。